読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

1月21日公開 マーティン・スコセッシ『沈黙 ーサイレンスー』ありがたや

f:id:onf00t:20170219053450p:plain

 公開後二週間。月曜の夜のせいか自分を入れて二人という客入りだった。もう見たい人は見てしまったのかな?
面白い/面白くないで言うと、面白くなかった!

だけど、そもそもエンターテインメントじゃないのかも。

www.youtube.com


仲間の命と引き換えに「棄教」を強制された時に、どうするのが「正しい」のか?仲間の命を助けるために信仰を棄てるのが正しいのか、あくまで信仰を貫くのが正しいのか?そのどちらかを選択した場合に、その後の人生はどういうものでありえるのか?という問いが過去リアルにあったわけで、その問いに現代のクリスチャンとして一つの答えを提示した映画なのかなという印象。
この問いが今日的な人には見逃せない映画だろう。

映画では描かれないが、当時の日本で信徒が30万人を超えた背景とか、幕府がキリシタン禁止令を出した理由とか、知りたいと思った。
個別のディテールや背景の真実が無性に知りたくなるのは自分が日本人だからか。
そういう瑣末事が気になって物語に入り込めなかったきらいはあるかもしれない。
 
イッセー尾形のインスペクター・イノウエと浅野忠信の通詞は良かった。あと小松菜奈。
 
うーむ。
 
非常にどうでもいい話だが、
 
スティーブン・セガール主演で、これやってくれたら超楽しめたろうな。
 
鎖国時代の日本に潜入する最後の司祭。
 
いつ踏み絵にかかと落としが炸裂するかハラハラみたいな。
 
続編は無いだろうけど、タランティーノが監督してくれたら歴史改変はどんだけしてくれてもいいです。
 
 

2017年1月27日公開 スコット・デリクソン『ドクター・ストレンジ』普通に面白い

映画感想

f:id:onf00t:20170214234514p:plain

マーベル映画最新作。アベンジャーズに新たな仲間が登場、今度の仲間は魔法使いだよー、名前はドクター・ストレンジ。そんな名前アメリカではありなのかなぁ、と思いながら見たのだが、新ヒーロー登場の第一作として文句のない娯楽作だった。カンバーバッチはドクター・ストレンジとして完璧じゃないだろうか?名前がおかしいことを意に介さないどころか自らネタにするくらい余裕たっぷりで、何でも知ってて何でもできる傲慢な天才というキャラクターが素敵にチャーミング。同氏が演じたシャーロック・ホームズとはまた違った趣で、よりスノッブな感じがいい。このドクター・ストレンジが今後のアベンジャーズ映画でトニー・スターク(ロバート・ダウニー・ジュニア)と絡むと思うとニヤニヤせざるを得ないな。狙い通りか。

そういうのを全く抜きにして見ると、マーベル映画世界であることが、せっかくのドクター・ストレンジ、ピンの第一作目のポテンシャルをちょっと損なっている感がなきにしもあらず。
マーベル世界はもう何でもありになってるから今更魔法が出ても何の驚きもないわけだ。制作者はもちろんそんなことは織り込み済なので、のっけから魔法対決のオンパレードだ。もうすこし慎みが欲しい気もしたが、魔法をなかなか出さないのも逆にまどろっこしいかもしれないな。このあたりのバランスは難しい。ドクター・ストレンジが仮に全マーベル映画の最初の一作だとしたらそうとう違った語り口の映画になってたのではないかと思うのだが、そういうのもちょっと見たかった気がする。

www.youtube.com

2016年12月16日公開 フェデ・アルバレス『ドント・ブリーズ』 犬、ヤベー

映画感想
 

f:id:onf00t:20170209004315p:plain

 
 
捕まった時に重罪にならないように、窃盗額が常に1万ドルを超えない範囲での空き巣を繰り返していた三人組が、ある時スラム街に住む独居老人の話を聞く。娘の交通事故で高額の示談金を得ているというのだ。額は30万ドル。捕まれば重罪必至だが、上手く行けばケチな空き巣から足を洗って、新天地で新しい生活を初めるのに充分な大金。一発逆転の目を見出した三人は、最後の仕事として老人に狙いを定める、というのが冒頭10分くらいで手際よく語られる。ひどい話なのだが、主人公には主人公なりの止むに止まれぬ事情があり、当人たちも行為のひどさには自覚的で、できるだけ人道的にコトを進めようとする。そしてそれが故に窮地に追い込まれていくという展開が上手い。そんな甘さが通じる相手では無かったのだというね。
 
相手が目が見えないという一点を上手く活かしたスリルの作り方が、正に『ドント・ブリーズ』で、見ている方も思わず呼吸を止めてしまうほどハラハラ・ドキドキの連続だった。そして犬ヤベー。この映画、シートから10センチくらいジャンプしてしまう場面が幾度もあるのだが、だいたいがこの犬の仕業。しかも動物愛護団体に気を使っているのか、はたまたそれを揶揄したジョークなのかわからないが、犬を「始末」する方法が秀逸。この才能の無駄使い加減。
 
続編があるとしたらどういう展開があり得るのか、色々考えたが、ぜひあの犬はまた出して欲しい。
というか、もし続編ができて、最初のシーンであの犬が出てきたら笑うわ。
 
監督のフェデ・アルバレス、マーベル映画の監督もオファーされたらしいが断ったとのこと。
この人の撮るマーベル映画も見たかったなぁ。

Figmaを使ってみた

アプリ制作

50%OFFクーポンが使えなくて Sketchが高いので話題の無料デザインツール Figmaを試してみた。

www.figma.com

 

f:id:onf00t:20170130213429p:plain

それで、ちょっとこのブログのトップ画像と背景画像を作ってみた。

ファイナルファンタジーのパクリました。

ファミコン時代のファイファンが好きなんや。

ということで、Gridの出し方とかまだわからないが、ちょっと使てみた感想を言うと、ブラウザツールなので色々なところで弄れるのが便利。

なにより無料なのがイイ!

これから色々ためしてみようと思う。

 

アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ 2014『キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』 次作への前振り

ビデオ感想

www.youtube.com

 キャプテン・アメリカのシリーズ二作目。マーベル映画としては九作目。

アベンジャーズの所属する特務機関S.H.I.E.L.D.Sのボス、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が命を狙われ、組織内部で内紛があることが匂わされる。暗殺者の一人がキャプテン・アメリカのかつての親友であり、第二次世界大戦で壊滅したと思われたヒドラに洗脳されているらしいこともわかる。どうするキャプテン・アメリカ?おまえはかつての親友、そして崩壊の危機に瀕したS.H.I.E.L.D.Sを救えるのか?といった展開。

前作を見たのが五年くらい前なので、キャプテン・アメリカの親友との絡みがあまり響いて来なかった。こんな人いたっけ?みたいな。前作で覚えているのはキャプテン・アメリカがヒロインとデートの約束をして守れなかった事だけだ。今作ではそのあたりのフォローもあって、一定の感慨はある。そういえば七十年眠っていたキャプテン・アメリカが現代に適応・不適応していくという浦島太郎的ネタがあんまり活用されていないのがちょっと不満かもしれない。キャプテン・アメリカのピンの映画なのだから、もっとキャプテン・アメリカの生活とか見たかった。ブラック・ウィドウが絡む話が多くて、単に全員揃わないアベンジャーズ映画に見えるのが難点だ。後半、話のスケールが大きくなって来ると、なんでアベンジャーズが全員揃わないのか気になるし、全員出てくるとアベンジャーズ映画と区別がつかなくなるしで、色々難しい。

 

リドリー・スコット 2015年『オデッセイ』 原作とは別の楽しさ≒痩せるマット・デイモン

ビデオ感想

www.youtube.com

アンディ・ウィアー『火星の人』という小説の映画化作品。

 原作はもしも火星に置き去りにされたらどうサバイバルするか?を極めて緻密に描いていて、色々な課題を計算と科学の知識で解決していく面白さがあるのだが、映画では火星でのサバイバル術の描写は薄めで、むしろ火星に取り残された主人公をどう救出するか?の方に相対的な比重が置かれているように見えた。小説であんだけ苦労した3200キロの旅がすぐ終わるからね。でもまあ、これはこれでとても面白く、最後の救出作戦も手に汗握った。映画化としては正解かもしれない。細かい話とか見ていられないでしょう、という判断なのだろう。原作はあくまでシミュレーションの楽しさを追求しているため興味の無い向きには非常にどうでもいい話だしなぁ。逆に、この映画はどんどん痩せてい行くマット・デイモンを見る楽しみとかもある。というか、この映画で一番スゴイと思ったのは痩せたマット・デイモンだった!

水も空気も無いところで一年以上生き延びるには?ということに知的な興味を感じる向きは原作がオススメ。そういう話がどうでもいい人は映画をオススメする。

原作も同様だが主人公に恋愛話が全く絡まないのが闇を感じてなんかいい。

 

手塚治虫 1973〜1974 『ばるぼら』 最低で最高のヒロイン

漫画感想

最低で最高のヒロイン。薄汚くて、破廉恥で、自由で、高貴な女。

こういう女に付きまとわれて、へきえきして、振り回されて、離れられなくて、頂点を極めて、破滅して、捨てられて、みじめったらしくしがみついて、追いすがって、ぶっ殺されかけるという夢みたいな展開。主人公は売れっ子耽美系作家だが自らの変態性欲を持て余し何もかもに退屈しているといういけ好かない人物で、DVの常習犯というクズのため、痛い目にあっても当然の報いに感じるというか、むしろ手ぬるい。こういう話で甘美に陥らずにユーモラスに踏みとどまるのは手塚治虫の手腕か。

ばるぼら大正義。

なんだろう、このばるぼらの魅力は。浮浪者でヒロインというのがまず普通ではありえないが、そのありえなさがばるぼらの魅力の拠り所になっている気がする。フリーターとか、ニートとか、そういうのではダメだ。この、「社会を完全に逸脱しているのに人間的な温もりに溢れている」感は浮浪者にしか出せない気がする。

ハスッパなくせにうぶで、ワガママなのに自己犠牲を厭わない。ギャップにやられっぱなしだ。

記憶を取り戻したばるぼらと余命宣告をされた主人公が草ッ原でする会話。

「先生 ほんとのこというとね オレが先生を殺すことになってんだ 時間がきたら」「そういわれてきたんだ 方法はまかせるってさ」

「そんなことだろうと思ってたよ」

たまらんですよ。

大傑作と思わない。

でも読んだ人の心の何処かにばるぼらが棲みつく漫画と思う。